糖尿病の食事について
糖尿病と食事は、密接な関係にあります。食事の内容によっては糖尿病を引き起こすきっかけのひとつになりますし、糖尿病を予防し、悪化を食い止める方法でもあります。食事の内容を見直し、食生活習慣を改めることで危険な糖尿病を予防しましょう。糖尿病は患者数が300万人とも言われている生活習慣病のひとつです。尿に糖が出るため糖尿病と呼ばれていますが、それは血中に糖が増えてしまう「高血糖」状態になるからです。
なぜ血糖値があがってしまうのでしょうか。そのカギを握っているのは「インスリン」です。インスリンは膵臓で作られるホルモンの一種で、とても大切な役割を担っています。体中の細胞にブドウ糖をエネルギーとして取り込ませるのが役割のひとつです。しかしインスリンがあまり作られなくなったり、インスリンの働き自体が悪くなると、体に栄養が行きわたらず血中に糖分が余っている状態になってしまいます。
この状態が高血糖で、長く続くと糖尿病になります。日本人はそもそも肉食文化が根付いておらず、インスリンの分泌が弱いといわれています。そのため、欧米化する食生活に体の機能がついていかずに、糖尿病患者が増えているのです。患者数も数百万人にのぼりますが、潜在的な予備軍は1000万人を超え、問題視されているのです。糖尿病になると目や脳血管・心臓・体の末端などに深刻な合併症が起きることもあります。
そのため、糖尿病を予防したり悪化を食い止めるための食事内容を考える必要があります。これまで糖質や脂肪・塩分などが過剰な食事が多かった人は、高たんぱく低カロリーなど健康な食事内容に切り替えていくようにしましょう。血糖値が高い場合は特に糖質のとりすぎに注意が必要です。炭水化物を完全に断ってしまうと体を維持できなくなるので、適量とるように心がけましょう。
食べ過ぎを防ぐために大切なのは、3食きちんと食べることです。血中の血糖値を安定させることが大切なので、朝ご飯を抜いたりすることはかえってよくありません。栄養がかたよらないように、3食バランスよく食べることが重要なのです。また空腹時間が長引くと、次に食べたときの栄養吸収率がアップしてしまいます。糖尿病だけでなく、肥満にもよくありません。ダイエットのためにも3食しっかりとりましょう。
栄養バランスも重要です。成人男性なら1日1400カロリーから1800カロリー、女性なら1200カロリーから1600カロリーが適正です。糖尿病の状態や身長・生活の内容によっても異なるので、栄養士さんや主治医の先生に相談して内容を決めましょう。
野菜や良質のたんぱく質・海藻やきのこ類などさまざまな食品をバランスよくとり、食事から糖尿病改善を目指しましょう。